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第15期夏季セミナーを開催しました!

平成29年8月30日(水)メルパルク名古屋にて、44企業組織50名の参加による夏季セミナーを開催しました。

しげんさいせいネット渡邉久和理事長の開会挨拶の後

「不透明な時代にブレない企業経営を作るために」

と題して、

愛知淑徳大学ビジネス学部・研究科教授・真田幸光様

より講演いただきました。

 

大変迫力のある、わかりやすい、参加舎皆さんがこれからを考えるきっかけとなるお話でした。

講演の次に、しげんさいせいネット会員4社から、それぞれの活動事業の紹介をいただきました。

①JAあいち経済連 辻井崇起様

 

②㈱ウェイストボックス 鈴木修一郎様

 

③㈲ディリ―ファーム 市田真新様

 

④㈱おとうふ工房いしかわ 石川伸様

講演報告の後、参加者による懇親会を開催し、大変有意義な交流ができました。

 

真田様講演要旨

①欧州情勢が不安定化の兆候

米国のトランプ政権に対する批判や不満、不安が拡大して いる中、ISによるテロ事件、北朝鮮の核とICBM開発、そして中国の世界戦略など、世界は混沌の様相を深めています。

②世界の秩序

世界の秩序はHEGEMONY(覇権)とBALANCE (均衡)で成立しています。オバマ前大統領の政策は覇権の事例です。長く英米による世界秩序が続いていましたが、中国の台頭により転換期を迎え、覇権の秩序が動きだしていると思われます。どの国が(グループが)TOPに立つかによって、みなさんのリサイクル活動事業も動きが変わってくるでしょう。引き続き英米がTOPに立つようであれば、リサイクル活動事業もグローバルに動き出すものと思われます。

③覇権の構成

長く英米の覇権が続いていますが、これは「人々が生きて いくための4つの重要な資源(水、食糧、原材料、エネルギー)をおさえている」ということです。これら重要な資源を世界企業が覇権を握る英米という国家の代理店(胴元)を担っています。水=スエズ社、食糧=カーギル社、モンサント社、原材料=BHPビリトン社、エネルギー=石油メジャーです。とりわけエネルギー資源は事故事例があるにもかかわらず原発が重要なポジションになっています。核廃棄物の再利用リサイクルによって原爆が製造されるからです。こうした重要資源を握るメジャー各社は、そのグリップ力を強めるために国際金融を握ることに努力し、証券ではJPモルガン社、銀行筋ではゴールドマンサックスなどがメジャーでしょう。そして最後に派遣を確固たるものとするための手段が軍事力です。

④世界秩序のキーワード

もう一つの視点で、現行の世界秩序は「貨幣経済」「法治」社会と言えます。5つのキーワードがあります。①言語=グローバルスタンダードとして英語。②通貨=経済価値判断の方法であり、グローバルな経済価値判断基準として米ドル。③法律=かつてフランス・ドイツが主流でしたが英米に移行。裁判は英米で開かれる。④ものづくり=わが国ではJIS,JASがあったが、イギリス発祥のISOに移行。⑤会計基準=英米スタンダード。

⑤世界秩序崩壊の流れ

以上の英米秩序が崩れ始めてきています。①現在はCHAO S(混沌)の状況です。言葉のイメージと異なり、これはビジネスチャンスです。みんながわからない中で、自分が分かればメリットが作れます。グローバルな立ち位置を知り、先に踏み出すことができます。②トレンドとして次に来るのはDIS―ORDER(混乱)です。既存のビジネスモデルでは儲からなくなります。③最悪シミュレーションとして最後にANARCHY(無政府状態)となります。北朝鮮、東・南シナ海、中東が危ないです。環境問題など地球規模の課題が後回しになる可能性が高くなります。

⑥現在の世界秩序動きの分析

ⅰ,英米の対抗軸としての中国、ⅱ,英米秩序の中のイギリス、スペイン、ベルギーの欧州各国の分裂可能性、ⅲ,過激派ISなどの世界秩序を壊すことを目的にした行動を見ておくことが大切です。

ⅰ,の中国は周到に覇権制覇の準備を実行し始めています。国内14億の国民(世界人口の20%)がすでに中国語を言語にしています。そして新興国を中心に孔子学院を作り中国の歴史文化風土を中国語で教えています。また国内の一人っ子政策をやめました。通貨においても新興国を相手に商売をすすめ、人民元を基軸通貨にすることを狙っています。AIIB政策は世界の金をインフラ整備という形で新興国に集め、そこからさらに中国が集金するシステムと言えます。中国国内の格差問題も、新興国の商品(粗悪品?)を中国が買うことができるという意味で貢献しています。一帯一路政策もこうした政策の実効策と言えます。

ⅱ,の欧州各国の分裂は、英国のイングランド、アイルランド、スコットランド、ウエールズの分裂という国そのものの崩壊不安です。EU型資産の国債(スペイン、イタリアなど)、マイナス国債などEU経済の崩壊、EU株の下げ予測が不安視されますこうした中で日本の円ドル相場は日経18000円をベースに注視しておくことが必要でしょう。すべての平均値で理想値は111円です。EUがマイナス金利をやめると日本も追随する可能性があります。すると金融機関の不安、統廃合が進む可能性があります。地域銀行や信金などをメイン銀行にしている企業には影響が出ます。

⑦こうした不透明、混沌の時代にこそ、なすべき企業経営は原点に返り、すべきことをする、しかない。をお伝えします。